junyoのほんだな

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2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

人間使い捨て国家(角川新書)

アベノミクスを叩いている(といっても著書出版というスタンスでの話)、ブラック企業被害対策弁護団所属の弁護士さんの本。どうして官僚は忖度ばっかりするのかなあと改めて思う。しない人は組織にとどまれない構造になっているのであろうが情けない国家で…

女たちのシベリア抑留

髪断って女を隠す敗戦日--阪東秀子(陸軍看護婦。当時15歳) シベリアの秋の夜空にある星よ 命ある身を恨んでもみき--林正カツエ(日赤看護婦。当時30歳。抑留時に詠む) 2014年にNHKのBSで放送された衝撃ノンフィクションの書籍化。成し遂げたディレク…

薪を焚く

薪のある暮らしときくと、懐古趣味の非近代的生活をイメージしてしまったが、なんの何の最新ハイテク技術あっての薪使用と知って興味がわく。ノルウェーで2011年刊行されてから世界15カ国で翻訳愛読されているわけだ。 読者層としては、田舎暮らし願望のある…

阿川弘之座談集 言葉と礼節

平成27年逝去されし阿川弘之さんが作家たち8人と個別に語り合った記録。 好きな回は、村上龍と息女佐和子と交わした日本語談義。 昔からある言葉は美しいとする一方で、乱れた言葉どもを受容せずに一刀両断してみせる態度が小気味よい。いつしか当たり前に使…

ヘリック詩鈔(森亮・訳/岩波文庫)

数篇ごとに添えられた、訳者のワンポイント解説がいい味を出している。16世紀末うまれの英国詩人の作品をあじわうには、それなりの解説が必要かなあと思ってしまう。「戯れに」と題した作中の葡萄酒は原作では古代ローマの銘酒「カエクブム」になっている、…

ゲッベルスと私──ナチ宣伝相秘書の独白

100歳超えの表紙写真もいいけど、裏表紙にある若い彼女(ほんとう?)の写真がいいなあ。戦時中のナチス中枢にいたなんて想像させないお嬢さん感。それもまた歴史の真実なんだね。彼女の回顧録を読んで好き勝手なことを言えるわれわれではあるが、歴史の渦中…