2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧
「ニンゲンだけだな、爆弾をつくっておとすのは」と語るのは広島で被爆したねこ(という物語)。 今日の愛媛新聞に紹介された、詩人アーサー・ビナードさんの初めての紙芝居を速攻で注文した! 広島原爆をテーマにした初(?)の紙芝居が米国人によって制作…
実に重い。2009年に演出家としての人生を終えた著者の竹内敏晴は聴覚言語障害児で、耳が聞こえるようになったのは中学のとき、それも右耳だけ。そして四十四歳で話せるようになったという。だから声・ことばに対する向き合い方が凡庸ではない。芝居者(と称…
愛媛新聞に紹介された郷土の悲話。1664(寛文4)年、西条藩主に年貢米のかわりに銀納を嘆願した庄屋が、幼児をふくむ家族ら16人処刑された史実をもとにしたという。
どうやらフィクションではないらしい。初代「君が代」の存在そのものに驚き、そこに薩摩藩がおおきく関わっていた史実にまた心動かされ、さらにどちらでもない「君が代」が文部省の小学唱歌にあったことで謎がふかまる。明治という時代をわれわれは、いかに…
表紙カバーをはずした時の、歪んだ日の丸イメージがまたニクイ。(色が血の色っぽくてイメージ強すぎだけどね。)憲法改正論議をするまえには、この手の多彩な論者のことばたちにしっかり向き合っておきたい。それには、やっぱり本というかたちがふさわしい…
表紙絵の、無邪気のような無表情かげんがいいなあ。それと連作短編集っぽい目次にもそそられる。みんな2もじのかなながら、よく見るとフォントの形状やサイズが少しずつイビツ・・・なところに不安定感が漂っている。気のせいかもしれないが。 勿論、ものが…
本の帯の写真やコピーがいい。帯なしは、素っ気ないぞ。タイトルを「将棋は指せなくても面白い」にすればよかった。それにしても、梅原教授と対等に話してる羽生さんてすごいわ。あと、目次・章立ても秀逸。たとえば、 文化は奇人がつくる 直観は7割しか正…
この新潮文庫の表紙絵が好き。新感覚のミステリー風小説だね。(ミステリーではない!)ドッペルゲンガーという名詞が出てくるまでが、どきどき感満載でSFか、あるいは新種のファンタジーかと期待させる。会話にドッペルゲンガーにまつわる古今東西の小説…
この手の情報がニーズとしてあるのは理解するけれど、買って読めとの態度がどうも気に入らない。買いたい人だけ買えばいいと反論されるだろうが。病院の待ち時間のうんざりする長さを考えれば、病院の待合に大量に常備しろよ、と言いたくなる。 でもって、最…
まじめな西洋史だ。かのエイブラハム・リンカーンも引っかかていた水銀療法とか、結構ことこまかに紹介してある。個々の事例を短編小説として読めれば気楽だが、今の自分らの身の上にも同様の危険が迫っているとおもうと笑えない。50年、100年後には現代人も…
とてつもなく多角的、学術的、驚異的露伴論。露伴の作品をいくつか知っている程度のど素人は、唯々、ふーん、と感嘆するよりない・・・が、本書で井波律子女史がますます好きになった。圧巻は、水滸伝翻訳の偉業のかげにある、露伴の「宋江」(なんでこんな…
イスラム国は脅威ではあるが、恐るべき悪の根源は違うところにあるぞ、とメディアを介してのイメージ操作を教えてくれる一冊。ジャーナリストとして中東に関わってきた著者ならではの、虚像を廃して、どこまでも真相を究明する手引き書といえる。謎が多すぎ…
『夏の花』で有名な、広島被曝者の作家、原民喜の人生を「死と愛と孤独の肖像」とは絶妙なるかな。原爆体験にもとづいた『夏の花』執筆や発表そのものも苦難であった時代のさまが丁寧に描かれている。かれにとっての特別の女性であったろう「U女」の出てく…
他人のラブレターは、読まれる者より読む者が恥ずかしい。そんな中で、清々しくも悲痛な声する手紙は戦中の特攻隊員島尾敏雄と、出撃の島で恋に落ちた大平ミホの、出陣直前の往復書簡。終戦前日の出来事は、結果としては出撃なしとなり、夫婦となるのだが。 …
中国古典文学をめぐる、井波律子女史のちょっと個人的思い出あふれるエッセイ集。父母や祖父母の思い出話がいっぱい。 紫陽花の名の由来が、仙人・紫陽にあったとはしらなんだ。
県警ごとの公安組織を列挙するなど詳述ぶりが、価値ありと思う。2011年の本だから多少の変化はあるかもしれないが、公安組織が特高とよばれた組織を継承していることに変わりはあるまい。公安は必要悪みたいなところがあるから、監視していないと暴走するか…
語り部は小野小町の末裔、現代人の小野明子(おののあきらけいこ)・・・という設定で、(最初著者がその人かと勘違いしかけた)そのスタンスでちょこちょこと物語途中に入るコメントが実にさりげなくて好感がもてる。でも中巻・下巻まで読む気になるかどう…
昨日の、鳥海(とりのうみ)さんの苗字つながりでチョイスして読む。鳥海昭子女史は筆名だったが。壮絶な人生のなかに、他者へのやさしいまなざしあふれる短歌を読み続けた、昭和一桁生まれ。本書には彼女を偲ばせるエッセイも添えられている。 この本を知っ…
皆の衆、職人世界を死守すべし。読むべし。読んで熱くなれ。谷川俊太郎詩集のために、本造りの職人たちがいかに心血を注いだか、の全記録。なかでも谷川さんのための書体をつくってしまった鳥海修さんの仕事に圧倒された。昔ならこれほど表に出ることは無か…
まるで文字の世界を彷徨う叙事詩を思わせる・・・小説(?)。登場人物の名前だけでも、いかにも意味深。光(ひかる)だけならそうでもないが、言海(ことみ)。ホテルにいる人に与えられた名は、大白蓮華・大紅蓮華とか、小欲、知足、楽寂静、勤精進、修禅…
著者名が正しく表示されないAMAZONのサイト。里見トンさんのトンの字は弓+享。昭和12年刊の小学生向けの文章読本であると同時に人生論・・・だって。読みたくて、うずうず。
19世紀にドイツ語で書かれた『アルプスの少女ハイジ』(の原著)を読み解くNHK教育テレビのテキスト。TVを見なくたって十分愉しい1冊。貧しい時代のスイスの国情などを反映して書かれていて、スイスの人にも馴染みの名作だが、スイスでは日本製アニメ…
この手の本は好き。著者・あがりえ・かずき氏の自己紹介(のひとつ)が気に入った。「大器晩酌、ウヰスキーはニッカ……」だそうな。 内容(「BOOK」データベースより) 翻訳家の日常、翻訳の裏側。迫りくる締切地獄で七転八倒しながらも、言葉とパチンコと競…
新聞企画ではじまった、大学生の作文添削をベースにした作文指導。(炎とは、中年親父の体脂肪が燃えてるのかしらん?) 記憶に残ったのは引用されていた、海老沢泰久さんのことば。「読者がスラスラ読める文章は、書く人が苦労しているんですよ。読みにくい…