junyoのほんだな

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2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ちょうちょのためにドアをあけよう

5月発売予定の絵本の広告をみた。ネット上では画像は皆無だけど、紙の広告でイメージ紹介してるというのは、ちょっとうれしい。

そんなときどうする?

いいねえ、絵本。大人もあたまの体操になる、かも。

隣の病い

精神科医として患者とその心の奥深くを優しく見つめてこられた先生の、鋭くも暖かな考察エッセー集。 標題にもなっている、隣の病とは精神科医にかかっている患者が罹患している他の科の疾患をいい、とりわけアトピー性皮膚炎について綴っておられる。専門外…

毒薬としての文学―倉橋由美子エッセイ選

今日はまたちょっと懐かしい小説家のエッセー集。さすがの毒舌である。 「文学的人間を排す」と題された一篇では、(今となっては昔の)髪の長い青年男子と文学的人間の相関なんぞを分析しているのだが、ムキになって毒を排している様子が愛おしくさえある。…

新しい詩とその作り方

本年出版されたばかりの室生犀星の書。復刻現代語本。原本は大正年間に出てる。今手にしても古くさくない匂いさえ放っている情熱的な詩作の手引き。これほど純に詩や詩作を愛せるのか、と感歎してしまった。 詩のほうが俳句よりどれだけ広く表現できるかを鼓…

図書館島

文字を持たぬ世界に生まれた少年が旅に出て図書館島に幽閉されて・・・。読み始めから、まさにファンタジーって感じの小説。途中には詩の一節、本の一文がふんだんに登場するのだがたぶん架空のものばっかり。そんな手の込んだ構成も含めてまるごと空想の世…

実感的人生論

松本清張がみずからの生い立ちを語っている。貧しく、小学校しか出ていない人間がかくも強く、人より抜きんでた仕事をして生きてきた事実に敬意を表しつつ、現代の貧困事情はなにかが違うように感じてしまった。希望を奪われる最悪の「貧困感」。

甦る名探偵

昭和20年代は探偵小説の花盛りだった。それまで抑圧されていた文学が一気に元気になった証なのだ。あらためて思う。戦争は多くを奪ってしまう。

上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

知らなかった。わたしのすきな小田嶋隆さんが長年アル中で苦しんでいたなんて。 ひとはみな、何かを背負って生きている。というか、なにかに依存して生きている。

ホラホラ、これが僕の骨 中原中也ベスト詩集

掲載の画像からはわからないけれど、製本がおもしろい。 説明によると、 ファイバーラッファーという製本の技術を断面に施し、見た目も触り心地もユニークです。強力なのりを使ったPUR製本なので、開きっぱなしで眺められます。 ・・・とのこと。 平たく言う…

探してるものはそう遠くはないのかもしれない

面白いです、1980年生まれの型破り書店員のエッセイ。大きな見出しだけ挙げると、 #01 会社に向いてない #02 結婚に向いてない #03 大人に向いてない #04 たまには向いてることもある #05 生きるのに向いてない 彼女のみのまわりにあった出来事を題材に、妄…

新全訳古語辞典(大修館書店2016年刊)

時折本屋に行って古語辞典をひろいよみする。これ、わたしの趣味の一つと言えるかもしれない。 最近は中高生に勉強させよう、勉強させようという働きかけが編集姿勢に露骨にでている傾向がある。 この辞典には読者特典としてQRコードがついていて、そこか…

あしたはれたら死のう

ジャンルとしてはハードボイルドとされていたが、その点ははてなだ。自殺未遂少女が記憶を失って、じぶんの過去を探していくミステリー調のお話。ちまたに溢れる、殺人事件ありきの推理ものよりは真面目に"死"を扱っているみたい。 北海道出身の著者だけあっ…

優しい死神の飼い方

死神が愛おしくなる話なんてナンセンスがまっとうに成立する現代に失望しそうになるのをグッとこらえて読む気になったのは、著者が現役の内科医だと知ったから。どんな死生観をお持ちであるにせよ、まじめに死をみつめたに違いないと期待したんだ。

法と社会科学をつなぐ

法律は社会のなかで定められ、適用され、規制したりするのだから、社会を知らずに法律を語ることは不可能。平均的に設定される人間以外の人間はいっぱいある。むしろ多様性こそ人間の本質という場合もある。行動原理の多様性を認知するのも重要だ。

モレスキンのある素敵な毎日

モレスキン・ノートを実際に使っている人の使い方を紹介しているだけなのだが、みんな個性的で見聞するだけで十分愉しい。 アーティスト兼ライターの加納明代さんの日記なんて超個性的。あらかじめ365日分のお題を設定しておいて、毎日、所定のテーマについ…

夜更けわたしはわたしのなかを降りていく

昨秋出たばかりの詩集。タイトルに惹かれて手にした。読めば、閑かにすいこまれるような文章で、なのに熱いものが残る。 でも、とっても気に入らないことが.....それは装本。 表紙を開いて一枚めくると扉には「夜更けわたしはわたしのなかを降りていく…

なぜ猫は鏡を見ないか?

おもしろすぎる。"音楽と心の進化誌"とサブタイトルがついているところからわかるように、進化論を音楽を軸に論じるなんていう芸当をやってのける著者は物理学専攻から作曲家・指揮者になった異才だった。 進化論も、音楽史もどちらも一級品でそのシンクロが…

ニャーブル美術館

パロディとしての完成度が高い。ほんものを熟知している方も楽しめそう。

ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき

近所の図書館にあったので借りちゃった。まだ読んでない。。。。

シンギュラリティは近い[エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

本書はレイ・カーツワイルの2007年の著『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』のエッセンス版だとか。2045年の人工知能の未来を予測した大部のエッセンスというけど、それでも250ページ超え。う~ん、どっちを読むか・・・両方読…

12歳の文学 2018年版

小学館が行ってきた12歳の文学賞は本年最後になるらしい。小学生限定の文学賞の存在(した)意義を振り返ってみたい。(この本は現在予約受付中。) わたしも小学6年生の時に謄写版刷りで小説を発行したことがあった。成人して読み返して超はずかしい思い出…

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

人工知能によって仕事を奪われてもあたらし仕事が生まれるから労働に関して心配しなくていい、という漠然とした楽観論を否定していく。人工知能を育てて東大合格を目指してきた著者のことばは重い。 AIが苦手なことは人間も苦手。人工知能の未来は専門家に…

進撃の巨人 Before the fall(1)

進撃の巨人を読んだことはない。その前生譚みたいな本が無料だったので読んでみた。さすがに無料だけあって、すぐに「つづく」だった。もう次はいいや。

公文書問題 日本の「闇」の核心

2018年2月発行のタイムリーな新書。サブタイトルが実にキマッテイル。 公文書の正確性はいかにすれば保たれるのか。その答がsimpleかつ的確に書いてある。 なにかの結論・決議が定まったとして、記録すべきはその経過を含むのだが、いろんな立場の声を中立…

童謡の百年

明治政府がつくらせた唱歌の多くが、ヨナ抜き長音階だった。そもそもヨナ抜き長音階を詳しくしらないで生きてきたわたしは、その核心にはじめて触れた思いだ。それよりもっと強烈にびっくりこいたのは、明治の音楽雑誌その名もズバリ『音楽雑誌』の16号に掲…

「鬼平犯科帳」から見える東京21世紀

本のタイトルが長い。ブログの見出し部分にさらに前置きが付く。 "古地図片手に記者が行く「鬼平犯科帳」から見える東京21世紀" 同い年の著者は毎日新聞のたたき上げ記者出身のえらいさん? 当人の趣味にちがいない、古地図片手の散策探検の集大成といえそう…

批評の魂

批評家ってやつは凄いなあ。ちまたにあふれる評論家じゃないんだ。 借り物の理論みたいなものを振りかざして他者を評論するやからは、批評の魂があるとはいえないらしい。(そんな裸の批評なんて出来るのか?) 正宗白鳥、小林秀雄もさることながら、この著…

小説 新聞社販売局

新聞社の編集局から販売局へ左遷された男は業界の闇を見る。販売店にとって新聞は折り込み広告の包み紙でしかないなんて哀しいが、販売を巡る醜い詐欺行為まで起こさせる体質などリアル。さまざまな暗部にあらがって、悪をさばくようにして男はやがて編集局…