junyoのほんだな

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2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

新聞社崩壊

この手の話題はかねて編集者とか記者の声としてあったけど、大手新聞の販売局の人間の叫びとして、裏事情が暴露されるだけじゃなく、いささか大胆な提言まで突き詰めているところに一読の価値があるかも。(近くの図書館が入手したというので出向いたが、だ…

バカとバカンス

天地創造した男が人間のさまざまなエラーにいらつきながら人間の妄想に対処していく。 超絶のナンセンス・ストーリーなのに共感しつつ読み進めてしまう佳作?

マララ 教育のために立ち上がり、世界を変えた少女

マララの顔写真としてはこの表紙がいい。

ビーカーくんのゆかいな化学実験: その手順にはワケがある!

ビーカーくんの本、第二弾がでた。個人的ならくがきキャラから誕生した本だから、専門家からは「?」と見られることもありそうだが、庶民的に好感がもてる。こういうのを見て育つ小中学生がうらやましい。キャラがふえてる。

ビーカーくんとそのなかまたち: この形にはワケがある! ゆかいな実験器具図鑑

理科の実験器具をゆるいキャラにしてしまった、うえたに夫婦が気になって仕方ない。 webで検索すればすぐわかったが、ほんとにゆかいな夫婦だ。

はじめての深層学習(ディープラーニング)プログラミング

これまでの機械学習から発展させたプログラミングというが、数学の専門家のなかにも懐疑的な向きがあるらしい。わたしとしてはプログラミングそのものよりも、研究者たちのなかで何が起きているのかがしりたい。 この手の実習には今なおUNIX系PCでない…

カメラはじめます!

カメラ女子、そんなことばがあるのかどうかもしらないが、そういう人と予備軍をターゲットにした、まんが仕様のマニュアルであ~る。まったくの初心者に無謀にも一眼レフを使わせる。しかし、きっと超初心者でも使えそうな気にさせるところがうまい。

釈迦と十大弟子

法門の参考書として入手した本だが、一流の仏師の、匠のわざとこころの書として読んだ。といっても公朝自身の記述ではなく、彫刻家である子息が間近で見聞きしたそれ。仏師と彫刻家のちがいなんてことを考えさせてもらった。

Real Love (John Lennon)

ジョン・レノンが愛しい息子のために描いた絵をならべただけの絵本。ならべただけで、すてきな絵本作品になってるんだから、やはりジョン・レノンだ。 蛇足。 わたしが見たのは英語バージョンだけれど、スペイン語バージョンだとアマゾンで2万円とか3万円で…

花供養

供養ということばに過剰に反応してしまうのかもしれない。 でも、この本は出会えて良かった。超おすすめ。 といっても今は亡き白州正子が好きな人に限るだろうけど。 花供養は多田富雄さんが、お能の名手でもあった白州正子さんを追悼して創った能作品。完成…

武満徹―私たちの耳は聞こえているか

「衰弱した肉体と虚大な精神が、大人の言葉を貧しいものにしている。」 今は亡き前衛作曲家(当人の理想に倣えば、音の表現者)・武満徹のエッセイ集。音を大切にしたのはいうまでもないが、それにも増してことばをとても大切にした。曲をつくる時には音を弄…

みんなの検索が医療を変える:医療クラウドへの招待

現代人の多くが、病気になったときネット検索をしている事実を医療に活かせないか。そんな発想から生まれた新しい医療への挑戦だ。一般人が素朴に調べている検索キーワードをビッグデータとして扱うことで、見えてくるものが結構あるのだ。インフルエンザの…

日本はなぜここまで壊れたのか

日英を往来する陽気なおばちゃんの、日本に対する辛辣なぼやきが詰まっている。2006年とやや古い本だが、何も改善されていないのではないか、と感じてしまうところが最大のポイントだ。だからいま読む価値がある、きっと。 以下、目次から抜粋。 地方都市の…

学校図書館の出番です!

学校図書館の司書が法制化されたのは近年のことだ。そのために奔走してきた著者が理想に向かって次の一歩を踏み出そうとしているが、前例主義の組織社会のなかで、なおかつ少子化の進む時代というむつかしさを抱えてどう進むのか注目したい。

物質的恍惚

ル・クレジオの文学作品は近くの図書館にたくさんある。なのに、読むならコレって決めていたこの一冊は無かった。で、迷わずネットショッピングしちゃった。早く届かないかなあ。 (きょうもまた、よんでいない本の紹介だ。世の読書人諸君の感想を拾い読みし…

ル・クレジオ、映画を語る

ノーベル賞作家 ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオが映画への愛を語るとき、そこには芸術家としてのかれのまなざし・信念・思い入れ・探究心が映し出されている。 圧巻は盲人のための映画発明を夢見る件(くだり)。 それにしてもヨーロッパの映画が…

ぼくが映画ファンだった頃

デザイナー・映画監督・その他いろんな肩書きをもつ和田誠の映画回想録、なんだけど、意味深なタイトル。昔は映画ファン、今は映画好き、とのたまうこのちがいがわかるかなあ。 読んでいてとても愉しいのが対談2篇。三谷幸喜と、それからもうひとつは映画ス…

方程式のガロア群

方程式の解(答)をもとめるのが目的ではつまらん。解のありかたがどうなっているのかが知りたかったんだ、ガロアは。 天才数学者エヴァリスト・ガロアが数学界にもたらした革命的理論の骨格とその醍醐味を真っ向から解説しようとする意欲作。これまでの本は…

太宰治賞2017

選評がすごいわ。はっきりいって全然誉めてない。それくらい太宰治が光っているのか、それともこの年の応募がたまたま不作だったのか、選者の好みに合わなかったのか。

茶花の文化史

茶花のルーツにある経典が蘇悉地経だったなんて。茶花が仏教と結びついているとしたらてっきり禅宗だと思っていたのに、この経は真言密教の最強経典じゃないか。(わたしからすれば密教は仏教じゃないからね。)まあ供花についてあれこれ説いている経ってめ…

大人のほろ酔いチョコレート

手作り菓子のレシピ本。2015年発行の本で、今もよく売れているみたいだ。一見渋くて、恰好を付けたがる大人向けのようだが、ページをめくってみると紙の質があまり良くないというか大したことなかった。(紙質が良くてもわたしは買わずに見るだけですが。)

中学生までに読んでおきたい日本文学9 食べる話

名作短編がいっぱいの一冊。各ページ下欄に語句解説がついてるから明治の文章でも理解しやすくなっている。 だが、平成の子どもは大変だねえ、あれも読め、これも読めっていわれて。

『「いき」の構造』を読む

昭和50年代に九鬼周造の哲学書を語り合う思想家2人安田武と多田道太郎の対談記録だ。昨日の著者坂部恵とちがって、どうにも評論家きどりなやりとりが鬱陶しい。それが学者というもんなのかも。巻末では二人して「野暮な注釈」と卑下してるから九鬼さんも大目…

不在の歌 九鬼周造の世界

エッセイスト九鬼の文章の舞台裏を見せてもらった。哲学者と文人の二足の草鞋を履いていたかのように思っていたが、彼の中で真理探求と美追求は一つだった。 それはそれとして、一番興味をひかれたのは岡倉天心との重層的な人間模様がかれの思索の心底にある…

雑誌 アステイオン 087号

サントリー財団が発行している季刊雑誌。毎号、尖ったテーマのもとに時代の思想の潮流がみえる。 季刊だから日々の報道に右往左往しない重厚な論考がちりばめられていて、読み応えあり。

九鬼周造随筆集

随筆の名手九鬼周造のことばが古びたりしないのは、誰にもある日常のこと・ものに寄りながら思考の深みへといざなうからなんだろう。 新春随筆が年末のあわただしい時期に書かされていることに、まことがないと断じているのは痛快でもある。それでも見事な新…

りっぱな犬になる方法+1

きたやまようこの『りっぱな犬になる方法』の続編。これを読めば、いつ犬になっても大丈夫だ、と思わせてくれる・・・。おもしろがっていたんだけれど、味わっているうちに妙な時世が来ていることが悲しくなってきた。 犬になりたい、の裏側にあるのは「人間…

DENIAL

話題になった映画『DENIAL』の原作小説。邦題は『否定と肯定』。やっぱり映画の邦題って巧いね、直訳なら『否定』だもの。ほんとは映画が見たいんだけど近場の映画館ではやっていないし、まだ日本語版のDVDも出てない。翻訳小説はあるんだが、ペーパーバ…

立派な犬になる方法

児童文学として紹介するんじゃない。近所の図書館の蔵書本は、表紙カバーが天地(上下)逆にテープで貼り付けられてた。開けてはじめは、そういうつくりの本なのかと思ったんだけど、単なる作業ミス。図書館に返す時にはちゃんと報告するよ。そうでないと、…

食通小説の記号学

ビールが日本に輸入され定着するまで、どんなふうに小説で綴られていたか、なんて実に面白い。「ビールがうまい」というものの、どんなふうに美味いのか、ことばで表現できてきたのだろうか。 小説のなかで味覚がどう表現されてきたか、さらにはどこまで表現…