2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
サブタイトルにある通り、これは米国の話なんだ。カトリック教徒にとって進化論は現代でもタブーであって、ローマ法王が科学的知見を語ったとしても、大衆は宗教的信条のほうに支配されたままらしい・・・なんて話は珍しくないのだが、本書を読んでも事実確…
歌人と俳人が多彩な人物からの御題を得て、詠み対決。なにより表紙デザインが秀逸! 登場する歌や句の文字をくねくね配置している。本の帯などに配された忍者2人の絵もカッコイイ。装画は工藤慈子さんって書いてある。 お気に入りの対決(のひとつ)は、 小…
現代そのものを切り取るゲンロン叢書の5冊目。スマホとSNSによって写真は非日常でなくなったとはいえ、著者のいうように「写真」という名称を変えねばならんほどの革新なのか? プロから見ると、以前の写真たちと現今の写真そのものの違いは一目瞭然らしい…
誤配、・・・それは現代の日本を語るのに最適な概念・・・かも。近代でもポストモダンでもない日本の現代を支える思想に真摯に向き合う、それが生きた哲学。
雑音に着目したジャック・アタリの視点は面白い。その延長で、映画『海の上のピアニスト』を分析する著者は近代と前近代の差をみつめ、近代ゆえに新たに生まれた欲望の問題を鮮明に・・・。というものの、この映画を見なくっちゃと思うワタシであった。 ちな…
白川静先生って松本清張さんと雰囲気が似てる? 本書は白川翁の凄さを多彩な人物が活写し、大先生その人と作品群を存分に、かつ手軽に味わえるお得な一冊。 なかでも魅力的なエピソードは、新聞連載で小学生向けに漢字の成り立ちを教示したときの話。白川文…
山折哲雄さんと3周り以上歳の離れていながら対等に語り合える小説家、柳美里さんって大説家。大震災以降の彼女は一層と目が離せない。
植木さんってやはり凄く頼もしい。サンスクリット原典をベースに種々読破しているだけのことはある。タイトルだけ見ると、何とも偉そうに、と構えてしまう読者もあるかもしれないが、あとがきによれば、ちくまの人の発案であり、植木さんは「これが”ほんとう…
超ひさしぶりに漫画一気読み。書の歴史のことが知りたくて、たまたま得た情報たよりに読み出したら、まじ勉強になる(し、青春をおもいだす)。
著者はシャロン モアレム with ジョナサン プリンス 。スリリングな小説以上におもしろい。(付箋をつけすぎて、付箋の意味がないほど。)強いて一件だけ紹介するなら、地球規模の温暖化(などの気候変動)は現代人によって急激にもたらされた、なんてことは…
伊予の俳人にして、一茶とも年齢差を超えて遠距離親交の篤かった樗堂(こちらのほうが年長)・・・の人生、交遊録、そして作品(解説付)満載の好著。執筆者は、樗堂ゆかりの庚申庵を復元活用しておられる今村威、松井忍両氏はじめ樗堂作品輪読会の皆さん。…
小学校で啄木に出会って、というのは山本友一さんと同じ(実はわたしも小学生で嵌まったなんてどうでもいいが)。啄木の母のかわりに父と亡妻が、何度も出てくる。読んで辛いほどに。。。 お気に入りの(というか気になる)歌は。。。 たどきなくすごす一日…
明治43年生まれの歌人山本さんは、60歳で自らの人生を回顧して「石牛の歩み」と称された。歌それぞれに喜怒哀楽が滲んではいるが、どれもこれも明確な一言では言い換えられない独特の匂い、内向きの声のようなものを漂わせている。 収められてある、昭和42年…