junyoのほんだな

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2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

古文書くずし字見わけかたの極意

この手の本の、内容を紹介したいわけじゃない。著者のことが気になって覚え書きとして記録することに。(比較的めずらしいお名前("あぶらい"とよむ)だと思うがそれは本題ではない。)この方はNHK学園の生涯学習講師として人気ある先生のようなんだけれ…

平成漢字語往来―世相を映すコトバたち

新聞の連載コラムとしての、楽しい漢字語あれこれにまつわる時事と世相のお話。そこに込められた著者の本気度がハンパナイっすよ。現代の安易なカタカナ語氾濫のために漢字語が軽視されるのは、悠久の国語文化を破壊している・・・・なんてお堅い言辞なしに…

日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

これまで経験的に習得した古文書訓読について、いまさら学ぶことなど大して無いかも、と思いつつ体系化のつもりで読んでみた。若い時にこの手の教科書があれば、初学には助かるだろうな。でも古来からの素読という学習法にはそれなりの意義があるだろう。 新…

硯の中の地球を歩く

昨日読んだ本のインパクトに釣られて、もう1冊。製硯師のくらしがとてつもなくオンリーワンで爽快な気分に。採石の経験から彼は、山肌を見ただけで、沢に降りて石に触った感触を想像できる・・・(嘘だろ)。石を掘るためにストレッチなど身体の状態維持にこ…

製硯師

製硯師。硯職人とは違うという、初めて知った職業だ。どう違うかは本書を読んでのお楽しみだが、A4版形の表紙写真のカッコいいことよ。著者は製硯師・青柳貴史となっているものの、奥書にはプロデューサー大牧圭吾、デザイナー藤田圭、フォトグラファー小林…

トランスヒューマンガンマ線バースト童話集

古典的童話を近未来に置き換えたリメーク作品集。それらしきIT用語ばりばりではあるが、シンデレラはシンデレラ、で馴染みのストーリーを念頭にそれなりに楽しめる。でも、二度読みしたくなるかと聞かれたらNOだね。著者には完全オリジナル物語でSF世…

すごい片づけ: 9つの極意 (河出文庫)

現代日本には既に片づけ・収納の本が大量に出回っているのに、まだ出るのか、と思いつつ、一点大いに気をよくする項目があった。それは、書斎スペースに関する記述。書斎は片づけなくってイイとのご意見だ。そこがお気に入りのわたしは、少しでも多くのスペ…

戦争と図書館

英国にとってマイナーな言語日本語を使う戦時敵国だったからこそ、日本語文献が収集研究され来っていた。その歴史をひもといた著者はケンブリッジ大学図書館日本部長としての経験を最大限に生かしたといえる。 この人の他の著作がまた興味をそそる。 『破天…

わたしの日付変更線(ジェフリー・アングルス詩集)

日本を愛する米国人が日本語で書いた詩集。そんなことを知る必要はないといえばないんだけど、米語の翻訳じゃなくて、日本語を駆使して、日米を行き来するこころのゆらぎみたいなものまで描かれているのが新鮮だ。 それを象徴する詩「翻訳について」の一節を…

長寿の嘘

2018年。これまでのメタボと寿命の常識を真っ向から否定した、一医学博士の書だとか。 正しい不養生を勧める本? 過去の常識を笑ってられるのは、いつまでなんだろうと、思っちゃいました。 そもそも長寿をどこまで願っているのかなあ、今の日本人は。 一番…

なぜか頭からはなれない奇妙な絶景50

ほんとなんだなあ。頭からはなれ・・・・ないかもしれない、というくらいの衝撃力はある景色だとおもう。(実景を目にしたら、の話。あいにく写真集では、時間がたつと案外するするわすれていく。)唯一つはっきり言えることは、これまでにない絶景写真集に…

詩的思考のめざめ: 心と言葉にほんとうは起きていること

"詩的"とは何て魅力的で、かつ、うさんくさい言葉なんでしょう。その言葉にまとわりついたモヤモヤを払拭してくれる本。著者の言葉を借りれば、「詩が苦手」の心理を克服してくれる、そんな趣向ではじまるんですが、詩が苦手なひとはこの本を手にしないので…

酒宴

吉田健一さんの文体がその嗜好性とともに好きだ。(単に酒好きの親近感ではない、と断じておこう。)酒の宴の話とて酒造り見学に発展して見事な蘊蓄が挿入されているし、酔い心地の世界が理性的に描かれる。また、アンデルセン童話のマッチ売りの少女を自分…

過労死落語を知ってますか

過労死防止落語という創作落語の演者、桂福車さんが昨年(2018)亡くなったことを知ってますか。過労死防止法の成立前から取り組んでいた、縁の下の功労者の一人にちがいない。福車さんのナマの話芸はもう見られないが、本書にはもちろん作品脚本も、福車さん…

辞書風物誌

昭和48年刊行の函入本。著者は(日本の)辞書をあつめること40数年、2500冊を超えたという。明治初期から昭和当年までの、わずか100年で辞書の世界はめまぐるしく変遷をとげている。辞書は時代を映す鏡、ということが如実にわかる・・・それ以上に奇妙奇天烈…

一角獣物語

西欧史における一角獣像の邪正双方イメージのひろがりは、そもそもキリスト教の旧約聖書の誤訳に始まったのだという。ヘブライ語のReém を「野牛」とすべきところ、見たことがないもんだから幻獣「一角獣」にしちゃったとか。70人訳なのに、みんなで訳せば怖…

浮遊する意味 (現代哲学の冒険 14)

「哲学の言語は存在しない」とは哲学の本質を言いえて妙だ。しかし哲学を論じようとすれば、なんらかの言語に依らねばならない。歴史的にはギリシア語が祖語として君臨し、他の諸語への翻訳において、基幹となる用語の意味がゆらぐ。いや、そもそも絶対的な…

空っぽの言葉

平成31年1月2日。初読みがこれ。写真とともにみせる詩なんだけど、気まぐれ読者として そらっぽ と読んでは独り嬉しがっています。そらの写真があまりににあってるもんだから。 WEBで無料拝見。https://bccks.jp/bcck/117291/info