2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧
わさび愛がすばらしい。植物学の先生がDNA研究としてルーツを辿って中国へ渡るのはわかるが、学問の枠をはみ出して古文書のなかを探索してさまようのは、先駆者のいない領域というのも大きかろう。栽培植物起源学。初めて聞いたジャンル。 若冲の野菜の涅…
この一冊に出遭うために、いままで書籍の海山を渉猟してきたといってもいいくらい魂を揺さぶられる念いだ。柳さんに問われているのは、わたし。「解っていますか?」(ご免なさいと言いかけて呑み込むことしかできない)在日の気持ちも、慰安婦問題の根っこ…
興味をそそるタイトルとテーマなのに、読んでいるうちにウンザリするのは、数学理論のはずなのにアダムとイヴがどうしたこうしたとの譬喩らしき解説が、それ必要か? という感じで再々登場すること。 英語圏をはじめとする国々では分かりやすいのかもしれん…
ルソー繋がりで読んだ一冊に夢中になった! もうこの一冊精読だけでブログを書きたい(もしも、わたしがもう一人いるなら、という条件付きで)。ルソーの奇天烈人生も好きだが、本書の教授重田さんがイイ、惚れちゃいそう。。。(「人造人間」の文字入りTシ…
キャラは「あぶらみちゃん」とふざけてるが、これ、下は40代から上は80代くらいまで続々シリーズ出版されてる、まじめ(に金儲け上手)な体操紹介まんがだった。 追記>なんと100歳まで元気を目指してた。どんだけの世代に売りまくっているのだ。
生物学者・福岡伸一先生の大推薦なんて賛辞があったら、いかがわしくないんだ!と安心して入手。 生物の世界に見られる普遍性を敷衍して、社会活動・経済活動までも生命的な営みに擬して論述した壮大なスケール物語のはじまりだ。 のっけから、動物の代謝率…
多数決のいかがわしさを感じていたものの、代替案としてボルダルール以外に幾つもあるなんて知らなかった。有権者なら必読の凄い本だよ。 それ以上にショックだったのは、フランス革命の時点でパリではこうした研究・議論が沸騰していたことと、ルソーの社会…
「私たちが発明した代表民主制とは、多数派の人が決定権を持つ制度だとしたら、各国の指導者は、少数派ではなく多数派のような暮らしをすべきです」 (ウルグアイの元大統領のことば)
吉田篤弘と聞いてピンとこなかったけどクラフト・エヴィング商會のお方らしい粋な冊子。やや大きめの文庫本って感じの仕上がり。(サイズを見せるために下に配置したのは新書本。) 夜のお休み前に読むとの設定で編まれた短編小説集。みんな食べ物の話が出て…
ジェスミン・ウォードの最高傑作小説と絶賛しているアメリカ文学研究者・青木耕平さんの付録解説が、イイよ。 一番は、なんと言っても、イイ紙を使っている。(半分冗談。) ウォードさんの境遇に始まって、小説家としての彼女の作品すべてに弟の死が描かれ…
答のない重苦しさ(とささやかながらも未来への希望の可能性)を描いたフィクションながら本作を読めば、米国黒人差別の問題に日本人がいかに程遠いところに居るかひたひたと感じられる。 のっけから山羊の解体描写の克明ぶりに、血肉のエネルギーが溢れる。…
あれからとは、日本語版『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(竹内万里子訳、赤々舎、2010年)の出会いから。最初の出会いからは12年経って、何か解決に向かっているのか、いないのか。そんななか、殺戮のごとき性暴力で生まれた何万という子供は12年の間…
(図書館のシールの件はさておく。) サンデー毎日連載の時事評論として炸裂してる高村節の魅力は、こんなふうに纏め読みすると鮮明になる。どれもこれも明らかに義憤以外の何物でも無いが、嫌みもなければ、人を卑屈にはさせない。 しかも市井の人間という…
きょうの愛媛新聞コラムにあった。 1999年の本がいま、新品で 9,282円する理由はなんであろ。ぜひ立ち読みで済ませたい一冊。 ↓↓ 内容(「MARC」データベースより) デッキ転落、産みおとし、おいてきぼり、床ぬけ、首もげ、ゆで卵禁止令、タコウィンナー流…
たぶん詩集に分類されるのだろう。ショートショートスタイルの詩文ページと線画作品のページとのコラボ と見ればよいのか、はたまた、作者の脳内イメージ具象化が時には言葉となり、時にドローイングとなって表出しただけのことか。おそらく読者が好きに分類…
吉岡實さんの詩集としてはおそらく珍しい写真で構成された装幀。トラピスト男子修道院という、割と有名な施設の窓と木靴型らしい。はじめて見た時は、有名な、四人の僧侶の詩になぞらえて四人分の靴があるのかと思ったが、靴本体ではなく木製の靴型とのこと…
なぜなんだろう。今日の愛媛新聞紙面の読書書評に10年以上前の小説が採り上げられるなんて。本作の衝撃性は時代を超えて堪えるけれど、。。。 評者・吉田千亜さんは平野啓一郎さんの小説に通底するのは「たったひとつの本当の自分など存在しない」という問い…
陳腐な語彙のならんだ文章にはこれといった味わいもなく、一見、ありふれた学園小説みたいなのに、何故か先を読みたくなる不思議な魔力(?)があるらしい。実のところは、緑の眼をもった人びとなど決してフツーでない要素が空気の如く散りばめられているし…
表紙を見ただけなのだが、備忘として。 創価学会をはじめとした宗教ネタはテレビや大手新聞では見ない。そういう自主規制なのか。公明党が政権にあるから難しいのか、強力なスポンサーが皆そのあたりで繋がっているのか。そういうことをNHKで特集出来る時…
予備知識はとくに必要なく、高校生でも読み進めていける、と前書きにあるが、大昔高校生だったわたしには随分ハードルが高いぞ。読めるのと分かるのは違う。面白いのは確かだが。。。 中でも、興味をそそるのは今どきの学生の数学学習状況。公式に当てはめて…
ゆるスポーツの仕掛け人・澤田智洋さんが「ゆるめる」に目覚めたのは我が子が障害をもって誕生したことが一番大きい要因だろう。でも、ちっとも気負ったところのないのが素敵だ。ある意味、出会うべくして出会ったヒトであり考えであり生き方に違いないし、…
この国でナショナリズムを語るのに特定著者の一冊で済ますのは危険極まりないとはいえ、ここに掲げられた四冊の必要十分性もまた吟味されなくてはいけない。(わたしには分からん! けれど、思想書に伍して安部公房の小説を持ってきたセンスはナイスって感じ…
「あらゆる組織における決断とリーダーシップの永遠のバイブル」との位置づけで読むのは、一般読者には千年早い。はっきりいって戦争について現実味をもって考える時に読む本だ。 平和ボケ日本でも本書を通じて将来戦を想起研究している研究会(という名の右…
著者・馬部隆弘さんの覚悟がいいよね。「歴史学の尻拭いをする覚悟」が。 だから歴史の検証は面白い。そういう意味では後世に検証させないような嫌らしい文書操作はますます許せない。
唯一面白かったのは、バッターがボールを打ち返す際の脳内反応に関する実験とインタビューの話題。(後述) そもそも間違って店頭購入した本。ブルーバックスから出た、ぶっ飛んでると噂の時間論の本を買うつもりだったのに、タイトル忘れて。。。 せっかく…
扉書きには「物名歌と折句にこめて二二三名の詞友に餞る」とあるが、二二三の歌がどれもこれも超然の境にいざなってくれるほど言葉ひとつひとつが撰び抜かれている。おあそびの折句ではない。 ただ、同名登場が二箇所あって、まさかの同姓同名? 当該最初の…