junyoのほんだな

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徹底して戦争と死について書く(執筆)沼野充義(『図書』岩波書店定期購読誌2020年11月号巻頭)

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ロシア文学と聞いただけで読書中に固有名詞がこんがらがるイメージを抱いてしまう身としては、ロシア・東欧文学がご専門の先生のことばは尊敬対象そのものとなる? と思って読めばまさにその通り。ベラルーシ(聞いたことあっても、どのあたりか定かで無い)の記録文学作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(後述で彼女とあるので性別は女性だと判明)の代表作『戦争は女の顔をしていない』(聞いたことがあるけど、読んだ記憶はない。邦訳はあるのかしらんと思ったら、邦訳だけでなくコミックまで出ていた! ノーベル賞作家でした)を概説して、アレクシエーヴィチさんのまなざしの優しさを称賛しつつ、徹底して戦争と死に向き合う覚悟が「平和と生のもっとも力強い擁護になるという逆説」と解説してくれる。そして、「日本でこそ読まれるべき作家」と推奨されてある。だから、読まなくっちゃ。(即刻、買いました。)

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