junyoのほんだな

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2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

上野千鶴子 情報生産者になる(ちくま新書)

正しいタイトルは「情報生産者になる」であって、上野千鶴子著だった。新書の表紙を読み間違えたといえるのだが、もともと上野先生のインパクトが強いから勘違いさせられた、とみるのが妥当かもしれん。 本年71歳の先生のパワーは円熟してるぞ。かつての鋭…

一瞬の、永遠の、波打ち際(番場早苗詩集)#続々稿

あとがきにかえて認められた詩「毬藻」には「Mに」と添えられてある。およそ詩集には序文も後書きも字余りのようで似合わないとわたしは感じているのだけれど、この一冊は例外。というか、あとがきではないので、つべこべいう必要は無かった。 「毬藻」の一…

一瞬の、永遠の、波打ち際(番場早苗詩集)#続稿

こんなことも出来るんだと感動する一篇。本の帯に引かれている詩の本體は上下二段組みになっていて、下段はかな書き。しかも、かなの「は」「ば」にはルビとして「波」「波‘」とある。(実物では、「波」に濁点。)これって変體仮名のさらなる変形版。 波は…

一瞬の、永遠の、波打ち際(番場早苗詩集)

購入の喜びに今夜は酔いしれるぞ。唯一残念なことは、わたしが北海道民でないことくらい。日本人ならこの詩集を買わないと(一瞬の損であり)永遠の損。読書ブログも今回は当面この一冊でいこうと思う。 どこを読んでも、この詩人は北海道の"土と水と空気と…

初恋 島崎藤村詩集 (集英社文庫)

若き日の藤村による恋愛詩集なんだが、わたし一番のお気に入りは「酔歌」の一節。 名もなき道を説くなかれ 名もなき旅を行くなかれ 甲斐なきことをなげくより 来りて美(うま)き酒に泣け

語り継ぐいのちの俳句―3・11以後のまなざし

今日(2019/09/20)の新聞で知って、速攻買い。アマゾンでラス1をゲット。待ち遠しいやら、こわいやら。3.11とあらためて向き合う覚悟がいるからだ。

洋書天国へようこそ~深読みモダンクラシックス

前年の作品は翻訳地獄なんて謳っていたが、ほんとは翻訳天国だったんだね。宮脇孝雄さんはこれまでの名著の翻訳書の微に入り細に入って、意味不明の訳語の深層をさぐったり、誤訳ねたを明かしたり、その業界の裏話満載なんだが、それは先輩蔑視でもなければ…

黒い豚の毛、白い豚の毛: 閻連科 (著)自選短篇集

実にふしぎな感覚。現代日本人には想像もつかない、中国の山奥の村でおきる、ちょっと昔の(?)、犯罪がらみで、極貧の人生での哀しい一コマ一コマ・・・なのに、何故かリアリティを持って迫ってくる。読み始めた途端に素直に受容できてしまい、ほんのり涙…

季刊文科 78号(令和元年夏季号) 特集 国語教育から文学が消える

吉村萬壱さんの主張に心動かされる。https://tea-time.goat.me/l38j3VACDC

ムーン・ジャンパー(絵本)

こころが荒れた夜は、絵本でも読んでリラックス。モーリス・センダックさんの絵がカラーだったりモノクロだったりするけど、どれもこれもあたたかい。谷川俊太郎さんの訳ももちろん・・・。

「言葉」で読み解く平成政治史

これいい。高校生に政治史おしえる教材にどう? 言葉の価値そのものがどんどん変わってるんだね。政治家の言葉といっても、昔と今、この30年だけでも様変わり。現在は、政治の言葉がイメージしか持たない、実態のよくわからん小道具になってるのに、国民は…

真・風景論 哲学的考察

風景とは何か。そんな問いそのものがなぜ起こるのか、本書を読んでやっと納得。政治がらみでいうなら日本に起こった「修景」事業という和風の景観造成による街づくりのごまかしを暴く問いなのだ。むりやり日本ぽさを演出して観光業に貢献しよう? そもそも、…

九十九書店の地下には秘密のバーがある(ハルキ文庫)

ミステリアスなサスペンスではない。カジュアルで、ほんわかする短編連作小説。バーで供されるドリンクもそれぞれ、ほんのりとしたアクセントになっている。こんなバーが近くにあったらなあ。

ランチ酒 おかわり日和

裏表紙のイラストがいいわ。 。

蘇我の娘の古事記(ハルキ文庫)

帯にある「本書は、わたしに極上の読書体験をもたらしてくれた。」(三浦祐之)の一文に騙されて読む。なるほど三浦さんの文末解説を読むと、ワクワクするのだが、わたしは擬音語多発にしらけてしまって、ストーリー世界に没入できない。鳥の鳴き声がいろい…

学校では教えてくれない差別と排除の話

著者はこの手の問題に取り組んでいるライターさん。で、学校に呼ばれて差別や排除の話をしに行くという。なんとなれば、学校の教師は教える知識を持ち合わせていないから。 つまり、学校教育の基本には差別教育はないということに他ならず、付け焼き刃的な「…

淋しい狩人(新潮文庫)

本のタイトルにも掲げられている最後の短編『淋しい狩人』は小説に登場する未完の小説のタイトル。なんだけど、その文章がちゃんと引用されて幕を閉じるあたりは、うまいなあ。無論、実在しないんだから、引用かどうかなんて本来確認もできないのに、読者は…

なにかが首のまわりに (河出文庫)

twitterで話題になっていたので読んでみた。それだけ。

人体の冒険者たち 解剖図に描ききれないからだの話

https://tea-time.goat.me/kFPIXnPMu4