junyoのほんだな

2020/11に移転しました。移転先はプロフィールに。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

神々の住む庭で パミールからヒマラヤへ (志賀洋詩集)

シルクロードを旅して生まれた詩・・・で興味わきそうに思ったのだけれど、だめでした。詩との相性なんだろうか、なにもビビッと来なかった。でも興味を引いたのは、詩中で引いてある、高良留美子の詩『神々の詩』<森の力>からのことば。有名な詩らしい。高…

句集はばたき(仙田洋子句集)

帯には「ユーモアと独自の眼差しで詠んだ」とあるけど、ユーモアじゃなくて「臨終」「死」に対する凝視が半端ないように思えて仕方ない(それが結果的にユーモアに解される)。わたし流に別の言い方をするなら、死神に挑む句(が多いんじゃないかな)。好き…

原典でよむタゴール(岩波現代全書)

ノーベル賞作家ラビンドラナート・タゴールさんが亡くなってもう78年にもなるが、今拝見しても古くないというか、今こそ日本人が読むべき日本人論(みたいなの)がストレートに響く。右傾化する政府こそ国民の敵だ。 (わたしは、彼の詩が嫌いでは無いが苦手…

岩波文庫的 月の満ち欠け #購読再掲

(以前、迷っていたが)本屋で見かけて即買い。日記ブログにコメントアップ。https://tea-time.goat.me/m5TYpEuwr6

薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 (集英社文庫)

ん~。ストーリーよりも、わたしはカタカナ語の表記で「ヴ」がよく出てくるのが気になる。おしゃれ感覚でいいなと思う場合もないではないが。でも「v」が必ずしもヴじゃないところがまた気になる。エレヴェーターじゃないんだなあ。

あなたとわたし、レタスを食べる(今井好子詩集)

待望の一冊を古書で入手。想像をうらぎらない独自の世界観にあそべる。帯にあるように「ほのかなエロス」が絶妙で、わたし的には煩悩と本能のあいだを理知的にすいすいっと流しているかっこいいおねえさんに感じられる。(わたしより若いけど。そんなの関係…

おいしいとはどういうことか(幻冬舎新書)

「野菜を手にしたら、とりあえずちぎって生で食べてみる。まずは、そこから始めましょう。」 この一文が、本書のすべてを物語っている。なぜそんなことをいうのか、を理解するために読む本。これは、京都の名店料理人の体験的「おいしい」論。全体的に格別の…

つつじのむすめ (あかね創作えほん 5)

馬場早苗さんの詩に出てくる「つつじの娘」伝説にもとづく絵本。1974年の古い版を読む。(図書館のかたに頼んで書庫から出してもらった時、新しい版を薦められてびっくりした。わたしは古い方を読みたいタチ。) もともとは民話であったものを松谷みよ子さん…

逃亡派

ノーベル賞を受賞したオルガ・トカルチュクさんの著(小椋彩・訳)。 欧州(らしい場所)のあちこちを旅する「わたし」の日誌(?)の独白的記録がモザイクのように延々と繰り広げられて、総じて「旅」なるものを描こうとしているのだろう。旅ってなんだろう。…

ショパン全書簡 1831~1835年: パリ時代(上)

7年ぶりの続編・邦訳版が出ましたね。(1816~1831年――ポーランド時代のつづき。)両方揃えたら1,500頁超え、価格40,000円を超えるので易々とは買えないが、歴史ファンにも音楽ファンにも興味津々になってもらえるんじゃないかな。図書館に置いてもらいたい。…

歌仙はすごい 言葉がひらく「座」の世界(中公新書)

作家、歌人、俳人の3人でする歌仙。その凄さは、後日あらためて行われた座談のさまを文章に起こしていただいたおかげで露わに。すごいわ、ほんまに。文芸の知識量、蓄積力、想像力すごい人があつまるから相乗効果でおそろしきほどドラマチックに。 でもほん…

美学への招待 増補版(中公新書1741)

即、招待されました! 美学を学ぶことは、ちまたを騒がす「不自由展」の意味を考えるのにも関わるだろう。入門書なのに濃厚、濃厚なのにスイスイ読める。2019年増補バージョンの15年ぶり増補っぷりがまた100ページ近くもあり、かつ新たな本といえるほどの内…

幸せではないが、もういい (『新しいドイツの文学』シリーズ) ペーター ハントケ (著)

ノーベル文学賞2019年度受賞者、ペーター・ハントケさんの小説。知らなかった外国作品をこの機会に読みたい。。。のに、図書館にも見当たらず。古本で14,000円超だというので、(高値が付いているからではなく、入手しがたいという理由で)ますます読みたく…

古酒騒乱(坂井修一歌集)

この歌人は、ヒトやココロを「人」「心」とは書かないで、かな書きするんですね。一見堅牢っぽい題号とはうらはらに、かなが充実している。 呑兵衛詩人と解するのは早合点かもしれない。あとがきによれば、酒豪だった父親への対抗心で、若い頃は酒嫌いだった…

当確師(中公文庫)

選挙戦で当確を勝ち取らせる軍師の物語としては、予想通りのワクワク連続で一気読み必至。読みごたえがある。でも、それ以上に感嘆したのは、手話通訳によるスリリングな会話シーンだ。二種類の手話を駆使して片方は通訳用、もう一方は訳者への本音伝達とい…

ドクトル・ジヴァゴ(工藤正廣・訳)

分厚い。ロシア文学アレルギーのわたしには厚すぎる。でも好きになった箇所もあるから不思議、読書ってやつは。小説の主人公ドクトル・ジヴァゴはそのタイトル通り医師なんだが、詩人でもあって、なんと彼の作品(ということは著者ボリース・パステルナーク…

岩波文庫的 月の満ち欠け

佐藤正午さんの直木賞受賞作を、岩波文庫ではなく岩波文庫的にしたという珍品。予約受付中らしい。どうしよ。

90秒の別世界 短歌のとなりの物語

100人(ではなかった、だぶってるんだね)の短歌,計100首それぞれを題材(?)にしたショートショート小説集。千葉聡さん、頑張ったねえ。わたし的には、感動したのは無かったけれど、100人の選定基準がとっても気になる。若い歌人が多いみたいだから、日頃…

残(のこん)の月 大道寺将司句集

大道寺将司を知ってから読んでいるせいか、すこぶる空気が重いわ。古典的な言葉遣いがふんだんだから重厚というだけではない。文字通りの花鳥風月を題材にした句が多い、といえば確かにそうなんだけれど、基本的に当人以外の人間存在が感じられない孤地獄の…