junyoのほんだな

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図書(岩波書店定期購読誌)2020年7月号

今号ほど満足度至高な月があったろうか。未曾有のコロナ禍まっ只中で、収録された各篇がすべて心地よい緊張感を漲らせつつ、わくわく感一杯だ。採り上げられる話題書は残らず入手したい衝動に。

原爆の図丸木美術館学芸員・岡村幸宣さんの近著『未来へ、原爆の図丸木美術館学芸員作業日誌』を筆頭に、古本屋を営む切通理作さんの著やジャーナリスト金平茂紀さんの読んで涙した『孤塁 双葉郡消防士たちの3.11』など・・・

 

読み手が巣ごもり的であるのが理由ではないと思う。書き手や編集者、製本技術者の篤い情熱の結晶が必然的にそう感じさせるに違いない。編集後記「こぼればなし」で綴られた一節に感謝を共有したくなる。それは、

かたちある書籍に仕上げるには(中略)ネットでは代替できない、このような営みが出版文化を支えていることを、今回の事態はあらためて示したように思います。