2020-07-10 生(いきる)[命四部作第三幕](新潮文庫) 扉をめくると「故・東由多加に捧げる」とあり、次の前付けにはパウル・ツェランの詩の一節が掲げられている。それだけで、充分に重い。 この人たちのような凄まじき半生を背負っていないと、文学に生きられないのかと考えただけで息苦しい。わたしは、この流れでゆくと、パウル・ツェランの詩集をよまなばならんのか、心の準備がいる。